東京や大阪などからの移住者（又は移住を検討している人）を悩ます問題の１つがゴミ捨て問題。地方自治体によって多少違うとは思いますが、一般的に言うと都会よりも収集頻度が低く、分別もしっかり求められるケースが多いようです。
例えば八ヶ岳西麓にある原村のケースで見てみると、村役場のホームページにこんな案内が掲載されています。
燃やすごみ（”燃える”ゴミではありません）は週に２回、燃えないゴミは週１回の回収になっています（各自治会の指定場所まで持込）。さらに、資源ごみは、紙類、トレー類、プラスチック類、缶類、ビン類（色別！）など細かく分類されています（地区内で月１回、役場で月１回のみ）。東京のマンションでマンションのゴミステーションで24時間365日ゴミ出しが可能で、生ごみはディスポーザーを使っていた私たちとしては、ちょっとした恐怖！
また、事実上、ゴミステーションやゴミ回収の管理を自治会が行っているため、自治会に加入しないとゴミを回収してもらうことは事実上困難です。この自治会加入については、特に都会からの移住者からは賛否両論の意見があるようですが、以前と違って、多くの自治会では、準会員制度のようなものが設けられていて、自治会共有の財産（財産区のようなもので山林やキノコを採集したりする権利）へのアクセスはないものの、ゴミ収集などのサービスが受けられるような仕組みがあります。正会員になるには、手続きが大変で、会費面（一時金20－30万円のところも）でも多額となり、本当の意味で共同体に入るということになりますが、準会員は大幅に年会費も安く（1～3万円程度）で、年に数回草刈りなどの作業もありますが、まぁそれほどの負担でもありません。ある程度移住者が住んでいるようなところでは、自治会の運営もずいぶんと簡素化されているようです。
住民税を払っているのだから、都会と同様に地方公共団体が全責任をもってゴミ回収すべきという意見もわかりますが、自治会、町内会の歴史的な経緯や共同体的文化、人口密度、住民税は同じでも行政サービスの基盤となる固定資産税徴収額の圧倒的差異などを考えると、まぁ一部の行政サービスが事実上自治会に委ねられているのも仕方ないかなと思います。
とはいっても、不便な点はやはりあります。都会と違って、家の前や近くのゴミコンテナに出せるというのではなく、ゴミ回収所まで持っていく必要があり、歩いては行けない距離のため、毎回車でゴミを運ぶ必要があります。また、ゴミ出しできる時間も、朝の1－2時間に限られており、この間にゴミを持っていく必要があります。
また、資源ごみは、月1－2回しか回収がないため、これもまとめて車で持っていく必要がありますが、ビニール袋などに入れてそのままだせず、中身を取り出してその場にいる係員の指示に従って置いていくような形です。
面倒くさいといえば面倒くさいのですが、あまり過剰な包装の商品を避けたり、できるだけリサイクルできる商品を選んだりという意識はずいぶんと高まりました。また、東京にいたころは、面倒くさいからプラと書いてあっても燃えるゴミに捨てていたりしていましたが、最近は必ずパッケージを確認して資源ごみに回せるものは回しています。SDGsなども言われていますが、多少なりとも貢献できるようになったかな。
また、戸建てでは基本的にディスポーザーが使えないので、生ごみをどうするかが一つの課題でしたが、これについては、我が家は、生ごみ乾燥機を購入して、嵩を減らすとともに、悪臭対策にもしています。うちで購入したものはこれ。
生ごみ乾燥機やコンポストは自治体からの補助金が出るケースも多いので、結構お得です。うちも補助金使わせていただきました。毎日乾燥させているわけではないですが、夜の間に乾燥させると朝にはパリパリになっています。コンポストをやられている方も結構いますね。
あとは、スーパーに食品トレーや牛乳パックの回収ボックスがあったり、あちこちに、民間業者の資源回収コンテナ（段ボールやアルミ缶、新聞紙など）があったりして、行政だけではなく、民間も含めてそれなりのゴミ回収インフラもあります。
総じていえば、東京のマンション暮らしに比べれば不便なことはもちろんあるけど、最初思ったよりは何とかなるかなという印象です。ただ、やっぱり回収頻度の低い瓶や缶、段ボールなどは家の中にちょっとした保管場所があるといいですね。あと、一回資源ごみ回収の日を忘れてしまうとショックが大きいですが（笑）。
どうしても、自治会費を払いたくないとか、もっと利便性が高い方がいいということであれば、管理別荘地に住むしかないかもしれないですね。もっとも、管理費は自治会費よりもずっと高いですが。。。
