八ヶ岳西麓 二拠点生活

海外居住中にもかかわらず、八ヶ岳西麓での二拠点居住を目指している50代夫婦の土地探し、家づくり、二拠点居住準備を中心としたブログです。将来的には移住を予定しています。

インフレ 住宅建設への影響

私たちが住んでいるアジアの国でも、インフレ率が高くなっています。最近のインフレ率は10%近く。欧米やアジアの多くの国と同程度のインフレ水準。さらに、日本人にとってきついのは、円の価値がローカル通貨に対してすら切り下がって安くなっていること。一部には円安ではなくドル高という見方もあるようですが、残念ながら円は現時点では世界で最も弱くなっている通貨の一つ。日本円は今年に入ってから、アジアのローカル通貨に対しても10%程度安くなっています。すると日本円で換算してしまうと、現地のインフレ率は20%超。IMF世界銀行の予測だとインフレはまだ来年にかけて続きそうですし、円も145円台後半から150円あたりをうろうろしていて、あまり強くなりそうもないので、なかなか生活実感としてもきついです。

住宅設備もアジアで生産しているものが多く、TOTOなどはベトナムやタイに工場がありますし、一条工務店は大規模な生産設備をフィリピンに持っていて、建材からキッチンなどまでこちらで生産しています。結局、アジアの国のインフレが進み、円が安くなると、結果的に日本の住宅価格にも大きな影響が出そうです。

2021年からウッドショックと言われて、構造材を中心に価格が急上昇しました。国産材を見ると足元では少しだけ価格が下がってきているようですが、依然として高止まりで昨年の初めのウッドショック以前に比べると引き続き2倍近い価格になっています。

国産木材価格推移 令和3年 令和4年

ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴うロシアからの輸入制限の影響を大きく受けたと思われる針葉樹合板や円安の影響を受けていると思われる輸入材(米栂材など)は同じく高止まりのまま、足元でも価格がほとんど変わっていません。

輸入材と合板価格

しかも、問題は木材にとどまらず、鉄鉱石価格と石炭価格の高騰によるアイアンショックや原油高エネルギー高(特に円建てベースで)、そして最近では円安の直接の影響で、2022年に入ってから、広く住宅設備や住宅建材の値上がりが続いています。

LIXILは2022年4月と10月に、TOTOは2022年10月に、クリナップは7月と9月に、タカラスタンダードも4月にそれぞれ数%から30%程度の住宅設備(キッチン、バス、トイレなど)の値上げをしています。さらには、広く住宅建材の値上げが続き、壁紙などのサンゲツさんも3回に渡って値上げ、内装材の永大さんも10月に値上げ、床材の朝日ウッドテックも8月に値上げ。外装でも、サイディングの東レ建材や金属屋根やガルバリウムのケイミューも値上げ。ガラスに至っては、この10月から40%近い値上げです。それに伴ってかどうかわかりませんが、YKKさんも来年1月からまた値上げとのこと。値上げ幅は数%から40%くらいまで様々ですが、木材、合板、鉄筋、金属屋根、ガルバリウム、窯業系サイディング、内装材、外装材、サッシ、照明、家電など、住宅に必要なありとあらゆる設備、建材が値上がり中。

発注者側の施主も設計時からなかなか見積が取れなかったり、予想以上に予算がオーバーしたりと大変ですが、工期が数か月にわたる工務店さん側も、当初見積もりから急に建材価格が上がったりして、コスト管理が大変だと思います。まだ、日本のインフレ率(消費者物価)はコア指数で3%程度とされていますが、先ほどの住宅建材などのように企業物価指数ではすでに10%近くのインフレになっていることもあり、まだまだ最終的な消費者や購入者への価格転嫁はこれからも進んでいきそうです。

私たちもまだ予算が確定していない照明などもあり、いろいろと気になります。少しでもインフレがおさまるといいのですが、なかなか期待薄なようです。