八ヶ岳西麓 二拠点生活

海外居住中にもかかわらず、八ヶ岳西麓での二拠点居住を目指している50代夫婦の土地探し、家づくり、二拠点居住準備を中心としたブログです。将来的には移住を予定しています。

暖房計画をどうするか

八ヶ岳西麓は寒冷地なので、窓を含めた家の断熱性能と並んで、暖房計画をどうするかというのは大事なポイントです。Y工務店では、基本的にOMソーラーを搭載しているので、冬であっても、晴天であれば(この地域は晴天率は高いです)南側の掃出し窓からの日射取得と合わせて、OMソーラーでそれなりに暖かくなるのではないかと期待しています。

一方で、夜間や雨天時などでは当然太陽熱の取得は難しいので、何らかの追加暖房設備が必要です。夜間であっても、OMソーラーのシステムで家中の空気を循環できるので、一定の断熱性能は前提としますが、どこかの部屋だけを暖房するという局所暖房ではなく、家全体を暖める暖房設備を想定しています。候補としては、エアコン、薪ストーブ、ペレットストーブの3つです。

エアコンは、最近は寒冷地での性能も向上しているようなので、使われている方も増えているようですが、どうもあの人工的な温風があまり好みではないのでできれば使いたくないところ。一方、薪ストーブは素敵なのですが、当面海外との二拠点居住であったり、妻のみが居住する期間があることを考えると、薪の確保、手入れ、整備などの観点から躊躇してしまいます。

そこで残ったのが、ペレットストーブ。ペレットと呼ばれる間伐材や枝などを顆粒状にした上で固形化した木質バイオマスの一種を燃料に使います。カーボンニュートラルなので環境にも優しい。薪ストーブに比べれば物足りないですが、それでも本物の火を眺めることもできます。ペレット自体は購入可能で、最悪通販でも買うことができるので、薪に比べればはるかに燃料の確保が容易で保管も室内や物置などでも可能といった利点があります。日常のお手入れも薪ストーブに比べればかなり容易です。

一方で、欠点としては、薪ストーブに比べれば出力が小さいものが多いこと(機種にもよります)、着火時及び燃焼時に燃料供給や温風ファン’のために電気を使用すること(一部使わない機種もあります)、そして温風ファンなどの動作音が大きいと感じる人もいるということです。

ペレットストーブもいろいろな種類があり、もともとはヨーロッパで発展した暖房装置なので、ヨーロッパ製のものにデザインや暖房能力に優れたものが多いです。例えば、ドイツのオルスバーグという会社のレバナやアリーナという製品は、大規模出力があるにもかかわらず、デザインに優れ、基本的に温風ファンではなく輻射熱で暖房するため、静寂性にも秀でているようです。ストーブを覆うストーンもおしゃれです。

オルスバーグのカタログから アリーナ

うーん、素敵です。運転時も本当に静からしいです。ただ、お値段も素晴らしく(笑)、工事費を入れると100万円は超えてしまいそうです。他にもイタリア製を中心にデザイン製にすぐれたペレットストーブは多く販売されています。八ヶ岳周辺であれば、松本と茅野にお店のあるストーブ工房Vestさんとか甲府にお店のある笹本環境オフィスなどで実機を見ることもできます。

ヨーロッパ製のペレットストーブの場合は、最近まではFE方式(強制排気のみで給気は自然給気)が多く、最近の高気密高断熱住宅においては、この給気をどう確保するかをきちんと確認する必要があります。ペレットストーブのすぐ後ろに給気口を設置するケースが多いようです。また、最近は一部FF方式(強制給排気方式)も増えていますので設計との調整やこうした給気の問題もありますので、早い段階で工務店や販売店さんに相談された方がいいかと思います。また、ヨーロッパ製のペレットストーブは、パラメーターの設定に調整が必要だったり、長野県のように中部電力管内で60Hz地域では別途調整が必要だったり(おそらく多くのペレット仕様地域が北日本東日本の50Hz管内であることもあるかと思います)、日本語表記がなかったりと、値段以外にも少しハードルが高い部分があるかもしれません。

国産ペレットストーブは、日本の住宅事情にあわせて、比較的小出力のものが多く小型です。デザイン的にはヨーロッパ製には及ばないものが多いですが、FF式が多く、シンプルに操作ができるものも多く、扱いとしては簡単なものが多い印象です。

OMソーラーでも実は「ほのか燦」というOMソーラー対応用のペレットストーブを出しています。これは、山本製作所というところで出している「ほのか」というペレットストーブを改良したもので、特徴としては、床下に温風を吹き出すことができるというものです。これによりOMソーラーの補助暖房として使用できるというもの。床下エアコンにも通じる発想であり、なかなか面白い仕組みです。

ほのか燦の仕組み OMソーラーのカタログから

OMソーラーとの相性もよく最初はこれを導入しようかなと思っていました。値段的にもヨーロッパ製の半額くらいで済みそうです。しかし、ここで一つ問題が発生。

実は「ほのか」の最新型では、弱運転の時に、温風ファンを切ることができる(自然対流モード)ようになったのです!!ファンを切れるということは、動作音が圧倒的に静かになるということ。そして輻射熱中心の暖房になるので、天板に調理器具がおける(メーカーは推奨していないようですが、焼芋や低温ロースト、煮込みなどであれば可能なようです)。

床下に温風を吹き込む場合には、OMソーラーの床下吹出し口をストーブから一定程度離さないといけないといった制約が出ることもあり、また、床下にわざわざ吹き込まなくても、暖められた空気は天井裏からOMソーラーのシステムでダクトを通って床下に循環されるので、静寂性と料理をとることにしました(笑)。

工務店さんにお願いする山本製作所のほのか(PS 631F)はこんな感じです。高さも低いのでペレットも入れやすそうです。うまく家中暖かくなってくれるかな。

ほのか 山本製作所のHPから